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寝違え

寝違えは、朝起きたときに首や肩に突然の痛みを感じる状態を指します。

 

この痛みは、首の一部に強く感じられ、特に首を動かすと痛みが増すため動かすのが困難になります。また、痛みは肩や背中の上部にまで広がることがあり、肩甲骨の周りや肩全体に及ぶこともあります。首の可動域が制限され、左右に振り向いたり、上下に動かしたりする動作が困難になります。さらに、首や肩の筋肉が硬直し、こわばりを感じることもあります。

 

原因について

不自然な寝姿勢や寝具の不都合

寝違えの最も一般的な原因は不適切な寝姿勢です。枕の高さが合わなかったり、ベッド以外の場所で寝てしまったり、首や肩に負担がかかるような体勢で長時間寝ると筋肉が過度に緊張し、翌朝起きたときに痛みや違和感を感じることがあります。特に、うつ伏せ寝や首を大きくひねった状態で寝ると、首の筋肉や関節に大きな負担がかかりやすく、寝違えを引き起こしやすくなります。また、枕の高さが合わない場合や、柔らかすぎるベッドも首に負担をかける原因となります。

 

枕の高さや硬さが合わない場合、首に過度な負担がかかり、寝違えを起こしやすくなります。高すぎる枕は首が前に押し出され、逆に低すぎる枕では首が後ろに反ることになり、筋肉や関節に負担がかかります。また、柔らかすぎるマットレスやへたりのある寝具も、体のサポートが不十分で、筋肉が緊張する原因になります。特に首や肩の自然なラインを保てない寝具を使うと、筋肉がリラックスできず、起床時に痛みが出やすくなります。

 

筋肉の緊張や疲労

日中に首や肩の筋肉が過度に疲労している場合、夜間に筋肉が十分に回復できず、寝ている間にさらに疲労が蓄積することがあります。これにより、朝起きたときに首や肩の筋肉が緊張し、痛みやこわばりを感じることが多いです。長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用、デスクワークなどで首や肩が長時間にわたって緊張した状態が続くと、筋肉が硬くなり、寝違えを引き起こしやすくなります。運動の習慣がない方やデスクワーク中心で首の筋肉が硬くなっている方は、寝違えに注意が必要です。

 

また首や肩の筋力が低下している場合、筋肉が日常的な動作や姿勢に対して十分なサポートができず、寝ている間に体が不安定になりやすくなります。筋力が不足していると、寝ている間に体の位置を支えることが難しくなり、不自然な姿勢を保ってしまうことで寝違えが発生しやすくなります。

 

急激な温度変化やストレス

寝室の環境が寒すぎたり、エアコンや扇風機の風が直接体に当たっていたりすると、首や肩が冷えて血行が悪くなり、筋肉がこわばりやすくなります。特に、冷たい風が直接首に当たることで筋肉が緊張しやすくなり、朝起きたときに寝違えの症状が現れることがあります。また、寒い季節には、寒さにより筋肉が収縮して硬くなりやすく、寝違えが起こるリスクが高まります。

 

精神的なストレスや過度の疲労も寝違えの原因となります。ストレスがたまると、筋肉が無意識に緊張しやすくなり、睡眠中に首や肩の筋肉がリラックスできず、起床時に寝違えが発生することがあります。特に、仕事や生活のプレッシャーが強い時期には、体が慢性的に緊張しているため、寝違えが起こりやすくなる傾向があります。

 

急な動きや寝返り

寝ている間に急に寝返りを打ったり、無意識に首を大きく動かすことで筋肉や靭帯に負担がかかり、寝違えを引き起こすことがあります。筋肉や靭帯が瞬間的に過伸展されたり、捻じれたりすることで、炎症や痛みが発生します。寝返りの動作が激しいと、普段は気づかないうちに筋肉を傷めることがあり、朝起きた時に首が動かしづらくなることがあります。

 

運動不足

運動不足も寝違えの原因の一つです。筋肉が弱くなると、姿勢を保つ力が低下し、寝ている間に不自然な姿勢で筋肉に負担がかかりやすくなります。運動不足により血行が悪くなり、筋肉が硬くなることも寝違えの原因となります。

逆に、過度な運動や負荷をかけすぎた場合も、筋肉の回復が追いつかず、寝ている間に痛みを感じることがあります。

 

その他の原因

日常的な姿勢の悪さや不適切な動作も寝違えの原因になります。特に、スマートフォンの長時間使用やパソコン作業によって、首が前に出た姿勢が続くと、首の筋肉が過度に疲労し、寝違えを引き起こしやすくなります。このような不良姿勢によって、筋肉や関節に慢性的な負担がかかり、寝ている間にその疲労が蓄積して寝違えが発生することがあります。

 

また、頸椎(首の骨)に異常がある場合、寝違えが起こりやすくなります。頸椎の動きが制限されたり、変形があったりすると、首を支える筋肉に過剰な負担がかかりやすくなります。特に、加齢に伴って関節や椎間板が変性し、首の柔軟性が低下していると、寝ている間に首が不自然な位置に固定されてしまい、痛みが発生することがあります。変形性頸椎症や頸椎ヘルニアなどの疾患も、寝違えのリスクを高める原因となります。

 

食生活の乱れ

筋肉は、肉や魚に含まれるタンパク質を元に作られています。
偏った食生活によってタンパク質不足の状態がつづくと、筋肉が弱くなり、寝違える可能性が高まります。

 

 

症状について

寝違えの症状は、主に首や肩、背中の筋肉や関節に痛みや不快感が生じ、首を自由に動かせなくなることが特徴です。その症状について詳しく見ていきましょう。

 

痛み

寝違えによる首の痛みは、特定の場所に集中することが多く、首を動かすと鋭い痛みを感じます。痛みの程度は軽いものから強いものまでさまざまで、首を少し動かすだけで痛みが増すことがあります。一部の寝違えは、鈍く持続的な痛みや、首や肩の筋肉が張ったような感覚(こわばり)を伴います。動かしていない状態でも、首や肩に常に違和感を感じることがあります。

 

さらに、寝違えの痛みが首から肩、背中上部にまで広がることがあります。特に、首の筋肉と連動している肩甲骨や背中の筋肉に痛みが放散し、肩や背中全体に鈍い痛みや筋肉の張りを感じることが多いです。

 

寝違えによる痛みは、通常「数日から1週間程度」で徐々に和らいでいきます。急性期には痛みが強く、動作の制限が大きいですが、時間が経つにつれて筋肉の緊張がほぐれて痛みが軽減します。ただし、長期間続く場合や頻繁に寝違えを繰り返す場合は、姿勢の問題や首の筋肉の状態に根本的な原因がある可能性があり、慢性化することもあります。

 

可動域の制限

寝違えの際、痛みのために首を自由に動かせなくなります。例えば、首を左右や上下に回そうとすると痛みが強くなり、可動範囲が制限されます。このため、朝起きたときに「首が回らない」「振り返れない」といった状態になります。また寝違えが片側の首に発生した場合、その方向に首を動かすのが特に困難になります。このため、痛みがある側に顔を向けられないことが多いです。

 

他にも肩の筋肉に影響が出ると、腕を上げたり肩を回す動作も制限されることがあります。これは、首や肩の筋肉がつながっているため、首の緊張が肩に波及するためです。

 

しびれや筋肉のこわばり

寝違えが神経に影響を及ぼすと、首から肩、腕にかけてしびれや感覚の鈍さを感じることがあります。特に、首の動きが制限されているときにこのような症状が出やすく、まれに腕や手の指先まで影響が及ぶこともあります。さらに触られても感覚が鈍く感じる、または逆に敏感になりすぎるといった感覚異常が現れることもあります。

 

寝違えの原因となる筋肉の緊張やこわばりは、症状としても現れます。触ると硬く感じる部分があり、押すと痛みが強まることがあります。特に、首の側面や後ろ、肩甲骨の周りの筋肉が硬く感じられることが多いです。寝違えがあると、筋肉が引っ張られているような感覚や、緊張が常に残っている感じが続くことがあります。これは、筋肉や靭帯が軽度の損傷や炎症を起こしているためです。

 

動作による痛み

寝違えによる痛みは、横になっている状態から起き上がる際に特に強く感じられることが多いです。頭や首を持ち上げる動作が痛みを増強し、スムーズに動けなくなることがあります。朝起きた直後が最も痛みが強く、時間が経つと徐々に和らぐことが一般的です。しかし、日中の動作で再び痛みが強くなることもあります。

 

寝違えによる痛みは、首を特定の方向に動かすと急激に強くなることがあります。特に、首を後ろや横に捻る、傾けるといった動作で痛みが悪化しやすいです。このため、動作を避けようとして、自然と体全体で首を守る姿勢を取ることが多くなります。例えば、車を運転して後方確認をしたり、振り返る動作をするのが難しくなることがあります。また、デスクワークや家事など、首を動かす日常的な動作が痛みによって制限されることも多いです。

 

炎症や腫れ

寝違えが筋肉や靭帯の損傷を伴う場合、炎症が起こり、首や肩に腫れを感じることがあります。触れると熱感があり、筋肉や関節が腫れていることが分かる場合があります。

 

 

但し、寝違いと言っても寝ている時にだけ起きるとは限りません。不用意に首を捻った時や肩甲骨を無理に動かしたときなどにも同じような症状は起こります。

 

 

当院ではまず、患部に熱感があるかどうかを確認し、熱感がある場合はアイシングを行います。
そして、マイクロカレントという微弱電気で怪我の回復を助けます。
そして、症状により炎症が強い場合は、アイシングを行いながら超音波治療を施します。
症状が軽減してきたら、手技療法を加え、患部の血流を良くし、首の調整を行い、可動域の回復を図ります。

 

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