ぎっくり腰
ぎっくり腰という言葉は広く知られていますが、その具体的な症状や原因を把握している人は少ないかもしれません。ぎっくり腰は正式な病名ではなく、急性腰痛の一種です。その原因について詳しく見ていきましょう。
原因について
椎間板への負荷
椎間板は、脊椎(背骨)の間にあるクッションのような軟骨組織で、体の動きによる衝撃を吸収する役割を果たします。ぎっくり腰は、椎間板に過剰な負荷がかかることで生じることがあり、椎間板が損傷すると、周囲の神経を圧迫し、急激な痛みを引き起こします。
例えば、重い物を持ち上げる際に正しい姿勢を取らず、腰だけで体重を支えると、椎間板に過度の負荷がかかり、ぎっくり腰を引き起こすことがあります。
筋肉の過緊張や損傷
腰部の筋肉(特に腰椎周辺の筋肉)が過度に緊張したり、急な動きで筋肉が損傷したりすることで、ぎっくり腰が発生します。筋肉が緊張しすぎると、柔軟性が失われ、ちょっとした動作で損傷しやすくなります。特に、長時間のデスクワークや運転などで同じ姿勢を続けると、筋肉が凝り固まってしまい、突然動いた際にぎっくり腰を引き起こすことがあります。他にも重い物を持ち上げたり、急に体をひねったりすると、腰の筋肉に過度の負担がかかり、筋肉が損傷してぎっくり腰になることがあります。
関節の炎症や損傷
脊椎の関節やその周辺に炎症が生じたり、関節が損傷することでぎっくり腰が起こることもあります。腰椎には多くの関節があり、これらが損傷したり、摩耗したりすることで急な痛みが発生する場合があります。運動不足や老化により、関節に炎症が生じ、それが急に悪化することでぎっくり腰を引き起こします。
姿勢
長期間にわたる不適切な姿勢が、腰に慢性的な負担をかけ、ぎっくり腰のリスクを高めます。背中を丸めて座る、重い荷物を片側だけに持つ、猫背などの姿勢不良が原因で、腰椎やその周辺の筋肉に負担がかかり、最終的に急性の痛みとしてぎっくり腰が発症します。
他にも急に姿勢を変えたり、急激な動きをすることが原因で、腰部に過剰な負荷がかかる場合があります。例えば、急に体をねじったり、曲げたりすると、腰の筋肉や靭帯に負担がかかり、ぎっくり腰を引き起こします。また長時間座っていた状態から急に立ち上がることでも、腰の筋肉や関節に急激なストレスがかかり、ぎっくり腰が発生することがあります。
老化・退行性変化
年齢を重ねると椎間板が変性し、柔軟性や弾力性が低下することで、椎間板への負荷が増大し、ぎっくり腰を引き起こしやすくなります。特に、中高年以降では、椎間板の水分量が減少してクッション機能が低下し、腰椎に負担がかかりやすくなります。さらに、椎間板が劣化し椎間板の一部が外に飛び出すことがあり、それが神経を圧迫して強い腰痛(ぎっくり腰)が発生することがあります。
他にも年齢を重ねると、腰の関節や筋肉が弱くなり、柔軟性が低下します。この結果、通常の動作でも腰に過度の負担がかかり、ぎっくり腰が発症しやすくなります。老化に伴う骨や関節の異常が原因で、腰に負担がかかり、ぎっくり腰を引き起こす場合もあります。
運動不足や筋力不足
運動不足により腰や腹部の筋肉が弱まると、腰の安定性が失われやすくなります。腰を支える筋肉が弱いと、ちょっとした動作でも腰に負担がかかり、ぎっくり腰を引き起こすリスクが高まります。腹筋や背筋の体幹の筋力低下により、腰部に過剰な負荷がかかりやすく、ぎっくり腰のリスクが増加します。
さらに筋肉や関節の柔軟性が低下すると、急な動きに対する対応力が低下し、関節や筋肉に過剰なストレスがかかりやすくなります。これがぎっくり腰の原因となることがあります。
ストレス
ストレスや不安が高い状態では、筋肉が緊張しやすくなります。特に、腰の筋肉が緊張した状態が続くと、筋肉が硬直し、ぎっくり腰を引き起こすことがあります。また精神的な緊張や疲労が原因で、腰の筋肉が硬直しやすくなり、結果として腰痛やぎっくり腰を引き起こすことがあります。
精神的・肉体的な疲労が溜まっていると、筋肉の回復力が低下し、腰部の筋肉が硬直しやすくなります。その結果、ぎっくり腰を引き起こす可能性が高くなります。
他にも、寒冷な環境下では、筋肉が冷えて硬直しやすくなり、ぎっくり腰が発生するリスクが高まります。特に冬場や冷房の効いた室内では、体が冷えることで筋肉の柔軟性が低下し、急な動作で腰に痛みが出ることがあります。
症状について
ぎっくり腰の症状について詳しく見ていきましょう。
痛み
ぎっくり腰の典型的な症状は、何の前触れもなく突然発生する激しい腰の痛みです。通常、重い物を持ち上げたり、体を急にひねったりした瞬間に痛みが発生します。痛みの強さは激烈で、動けなくなることがよくあります。体を動かすたびに、刺すような鋭い痛みが生じることが多く、特に前かがみになる動作や、腰を伸ばそうとする際に痛みが強くなります。また、激しい痛みが数時間から数日間持続し、その後、徐々に緩和されることが一般的です。ただし、痛みの程度や持続時間は人によって異なり、日常生活に支障をきたすし安静が必要とされることもあります。
痛みは腰だけに留まることもあれば、腰から臀部、大腿部、さらには足まで広がることもあります。特に神経が圧迫されている場合、下肢への放散痛が現れることがあります。これは、腰部の神経(特に坐骨神経)が圧迫されたり刺激されたりするためで、痛みが神経を通じて広がる現象です。
ぎっくり腰では、腰の一方だけに痛みが集中することが多く、特に腰椎の特定の部分や、片側の筋肉が緊張している場合に多く見られます。
可動域の制限
ぎっくり腰が発生すると、腰を動かすことがほとんどできなくなることが一般的です。痛みが強いため、前屈、後屈、左右の動作が非常に困難になります。特に、立ち上がったり、座ったりする動作が大きく制限されます。さらに体を動かすたびに激しい痛みが走るため、動作が非常に慎重になります。日常的な動作、例えば歩く、座る、寝返りを打つなどが困難になります。
また腰周りの筋肉が反射的に強く収縮し、硬直することで、さらに動きが制限されます。この筋肉のこわばりは、痛みを悪化させる要因の一つです。筋肉が硬直すると、自然な動きができなくなり、痛みが増すことがあります。腰全体に強い張りや違和感を感じ、腰を支える筋肉が硬くこわばった状態になります。
姿勢の変化
ぎっくり腰が発生すると、体が痛みを避けようとして、不自然な姿勢を取ることがあります。例えば、腰を曲げたまま直立できなかったり、体を一方に傾けるような姿勢になったりします。激しい痛みを避けるために、体を片側に傾けた姿勢になることがよくあります。これは痛みを感じる側の筋肉を緩和するために起こる反射的な動きです。
他にも腰の動きが制限されるため、ぎっくり腰の人は動作が非常に慎重になり、動きがぎこちなくなることがあります。例えば、足を引きずるように歩いたり、腰をまっすぐにするのを避けたりします。
しびれや筋力低下
ぎっくり腰の際に、腰や下肢の神経が圧迫されると、しびれや感覚異常が現れることがあります。これは、痛みと共に神経が影響を受けているためで、脚や足の感覚が鈍くなったり、異常に敏感になることもあります。
また痛みと共に、脚や足にしびれ感や麻痺感を伴うことがあります。重度の場合、筋力低下が見られることもあります。特に坐骨神経が圧迫されると、臀部から太もも、膝、ふくらはぎ、さらには足の裏にまで痛みやしびれが生じることがあります。
さらにぎっくり腰の際に筋肉が損傷する場合、腰部の筋肉が一時的に弱くなり、腰を支える力が低下することがあります。これは、痛みが長期間続く場合に見られることが多く、慢性的な痛みへ移行する原因にもなります。長期的な痛みや腰部の安静が続くと、筋力が低下し、筋肉が萎縮することがあります。
回復過程の症状
ぎっくり腰の急性期が過ぎた後も、数日から数週間にわたって鈍い痛みが残ることがあります。これは、腰部の組織が完全に回復するまでの過程であり、痛みが完全に消えるまでに時間がかかることがあります。
ぎっくり腰は、一度発症すると再発するリスクが高くなります。特に、痛みが完全に治まる前に無理な動作をしたり、正しい姿勢を保たない場合、再度ぎっくり腰を引き起こす可能性があります。
ぎっくり腰を避けるために注意すべき場面
ぎっくり腰を避けるために注意すべき場面は、日常生活の中で以下のような場面です。
重い物の持ち上げ
特に正しい姿勢で持ち上げないと、腰に負担がかかりやすいです。
急なひねりや曲げ
腰を急激にひねったり、曲げたりする動作を避けることが重要です。
長時間の同じ姿勢
長時間座っていたり、立っていたりするときには、定期的に姿勢を変えて腰に負担がかからないようにします。
運動やスポーツ
特に激しい運動やスポーツをする場合は、適切なウォーミングアップと体の準備を行い、正しい姿勢で動作するように心がけます。
これらの場面では、腰に過度の負荷がかからないように注意することで、ぎっくり腰のリスクを減らすことができます。
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