頚椎ヘルニア

頸椎ヘルニアとは椎間から椎間板（クッション）が飛び出してしまい、椎間を走行する神経を圧迫し頚の後ろや肩、腕の痛み、しびれがでる症状です。

 

原因について

頚椎ヘルニアは、頚椎（首の部分の椎骨）にある椎間板が損傷し、椎間板の中の髄核が外に飛び出すことで神経を圧迫する状態を指します。この状態の原因はさまざまです。その原因について詳しく見ていきましょう。

 

加齢

年齢を重ねるにつれて、椎間板の弾力性や水分が減少し、椎間板が劣化します。さらに長年の使用により椎間板の繊維環状板が摩耗し、脫出や破裂が起こりやすくなります。この結果、椎間板が損傷しやすくなり、ヘルニアが発生するリスクが高まります。

 

外傷

交通事故や転倒により頚椎に強い衝撃が加わることで、椎間板が損傷することがあります。またスポーツ中の衝突や急激な動作によって頚椎に負担がかかり、ヘルニアを引き起こすことがあります。

 

過度の使用

• 頚椎を繰り返し過度に使用することが、椎間板に負担をかけ、ヘルニアの原因となることがあります。例えば、重い荷物を頻繁に持ち運ぶ動作や、激しいスポーツや衝撃を伴う動作などが挙げられます。

 

姿勢の問題

パソコン作業やスマートフォンの使用など、長時間同じ姿勢でいることが、頚椎に負担をかけ、ヘルニアの原因となることがあります。また背中が丸まった猫背の姿勢は、頚椎に不自然なストレスを与え、長時間前屈みの姿勢でいると、頚椎に過度な負担がかかります。他にも高すぎる枕や硬すぎる寝具は、首の自然なカーブを崩し、頚椎に負担をかけます。これらが椎間板の変性やヘルニアの発生を促進します。

 

遺伝的要因

家族がに頚椎ヘルニアの人いる場合、遺伝的に椎間板の強度や弾力性に影響を与える遺伝子を持っている可能性があります。遺伝的な要因により、椎間板の構造や機能が異なる場合、椎間板が変性しやすく、ヘルニアのリスクが高まります。

 

生活習慣や健康状態

喫煙は椎間板への血流を減少させ、椎間板の栄養供給を妨げます。肥満の方は頚椎にかかる負荷が増し、椎間板にストレスがかかります。また運動不足により頚椎周囲の筋力の低下したり、柔軟性の欠如により、頚椎への負担が増加します。このように喫煙や肥満は椎間板の健康に悪影響を及ぼし、運動不足は頚椎周囲の筋肉の弱体化を招きます。これにより、椎間板への負担が増し、ヘルニアのリスクが高まります。

 

他にも、骨粗鬆症は骨密度が低下し、骨が脆弱になることで椎間板や骨構造に影響を与えます。椎体の変形や骨棘（こつきょく）の形成が頚椎ヘルニアの原因となることがあります。さらに長時間のデスクワークや重いものを持ち運ぶ作業などの職業的な要因により、頚椎に継続的な負荷がかかることで椎間板が変性しやすくなり、ヘルニアが発生しやすくなります。

 

 

症状について

頚椎ヘルニアの症状は、ヘルニアがどの神経を圧迫しているかによって異なります。その症状について詳しく見ていきましょう。

 

首の痛み

最も一般的な症状は、首の痛みです。首の一部または両側に鋭い痛みや持続的な鈍痛として感じる場合もあります。頭を前後左右に動かす動作や長時間同じ姿勢を取ることで痛みが悪化します。また、炎症反応により痛みが増すこともあります。

 

肩や腕の痛み

ヘルニアが神経根を圧迫すると、首から肩、腕や手に放散痛（しんさんつう）が生じることがあります。特に腕の外側や手の親指側に痛みが感じられることが多いです。また特定の神経が圧迫されることで、痛みが肘から手にかけて広がります。

 

しびれや感覚の異常

神経の圧迫により、手や指にしびれやチクチクする感覚が現れることがあります。さらに特定の指や手全体に感覚が鈍くなることがあります。圧迫された神経が正常に信号を伝達できなくなるため、感覚異常が生じます。これにより、しびれや感覚の鈍麻が発生します。しびれなどの感覚の異常が、慢性的に続くことで症状が徐々に悪化し、日常生活に支障をきたすようになります。

 

筋力低下や反射の異常

圧迫された神経により腕や手の筋力が低下し、物を持ち上げる、握る、押すなどの動作が困難になります。また指を動かす動作が制限され、細かい作業が難しくなることがあります。腕や手の動きが極端に制限され、日常的な作業が困難になることがあります。

 

さらに肘や手首の反射が弱くなることがあり、通常の反射が反応しにくくなります。神経圧迫が重度になると、反射や筋肉の制御が困難になり、歩行やバランスに影響を与えることがあります。

 

頭痛やめまい

頚椎ヘルニアが原因で、頭痛が生じることがあります。特に、後頭部から首にかけての痛みが特徴的です。また首の痛みや緊張が肩や頭に広がることで頭痛が引き起こされることもあります。さらに、頚椎ヘルニアに伴い、頚椎動脈が圧迫されることで血流が制限され、脳への血流が減少し、めまいを感じることがあります。

 

 

首の可動域の制限

頚椎の痛みやこわばりにより、首の可動域が制限されることがあります。首を回す動作や前後左右に動かす動作が困難になることがあります。また首を動かす際に引っかかる感じや硬直感を感じることがあります。

 

当院では程度にもよりますが基本は保存療法で行います。患部に対しては超音波治療器にて治療をしていきます。周りの筋緊張をとるためにマッサージを行い、症状が落ち着いてきたら、頚椎の調整などを入れていき完治を目指します。