五十肩・四十肩
肩関節は解剖学上、球関節といわれており関節可動域の広い関節です。
そのため、一度痛めたりして動かさなくなると関節拘縮を起してしまい、日常生活動作に非常に支障を来す部分です。
原因について
五十肩というのは疾患名ではなく、腱板損傷・石灰沈着性肩関節周囲炎・肩峰下滑液胞炎(けんぽうかつえきほうえん)・上腕二頭筋長頭腱炎(じょうわんにとうきんちょうとうけんえん)などを除外した、原因のない肩の痛みを伴った運動障害(拘縮)を五十肩といい四十肩との違いは発症年齢の違いだけです。また40歳以上の中高年に多く発症し、特に女性に多く見られる傾向があります。
五十肩・四十肩の原因について詳しく見ていきましょう。
肩関節包の炎症と関節の可動域の減少
肩関節包(カプセル)の内側に炎症が生じ、組織が腫れることで可動域が制限されます。炎症が進行すると、肩関節包が線維性組織に置き換わり、硬く厚くなります。これにより、肩の動きが制限されます。
肩関節包の硬化により、肩を動かす際の可動域が狭くなります。特に外転(腕を横に上げる動作)や外旋(腕を外側に回す動作)が制限されやすいです。また肩周囲の神経が炎症や圧迫を受けることで、痛みや筋力低下が生じることがあります。これにより、肩の動きが制限されることがあります。
怪我や既往歴
長期間にわたって肩を頻繁に使用する職業やスポーツ、または肩の怪我が原因となることがあります。例えば、手術後の肩の不動やリハビリ不足もリスクを高めます。
また糖尿病や甲状腺疾患、心臓病、脳卒中後の後遺症、関節リウマチなどの他の関節炎を持つ人も、肩関節に影響を受けやすくなります。これらの既往症を持つ人も五十肩、四十肩の発症リスクが高まる要因の一つです。
その他の原因
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、悪い姿勢が肩周囲の筋肉に負担をかけ、五十肩・四十肩のリスクを高めます。また心理的なストレスは筋肉の緊張を引き起こし、肩関節の動きを制限することがあります。さらに肩周囲の筋肉が弱くなることで、肩関節に負担がかかりやすくなります。
五十肩・四十肩の発症メカニズム
五十肩・四十肩の発症メカニズムは、以下の段階を経ると考えられています。
発症期(炎症期)
肩関節包の内側で炎症が生じ、肩に痛みが発生します。この段階では肩の動きがまだ比較的保持されていますが、痛みのために動かしにくくなります。
凝固期(硬化期)
炎症が進行し、肩関節包が線維化します。これにより、肩の可動域が徐々に制限され、肩を動かすたびに痛みが増します。
回復期(解凍期)
線維化が進行した肩関節包が徐々に柔らかくなり、可動域が回復します。この段階では痛みも軽減し、肩の動きが改善されます。
症状について
症状としては、40歳前後から50歳~60歳代に多く、症状が急激に現れることは少なく、徐々に進行することが多いです。
では、五十肩・四十肩の症状について詳しく見ていきましょう。
痛みや可動域の制限
初期段階では鈍い痛みが感じられ、徐々に鋭い痛みに変わることがあります。肩を動かす際に痛みが増す傾向があり、痛みを避けるために肩の動きが制限されます。肩を無理に動かすことで痛みが悪化し、さらに動きが制限される悪循環に陥ることがあります。肩関節周囲が硬く感じられ、動かすたびに抵抗感を覚えます。
特に腕を上げたり、後ろに回したりするなどの動作で痛みが顕著になります。多くの場合、一方の肩にのみ発症することが一般的ですが、両側に発症する場合もあります。
姿勢の変化
肩の可動域が制限されることで、自然と前傾姿勢になりやすくなります。これにより、首や背中にも負担がかかります。そのため、首や背中にも痛みが生じることがあります。
肩を上げる動作が困難になるため、肩がすくんだように見えることがあります。
日常生活への影響
肩を動かす筋肉が使用されなくなることで腕の筋力が低下し、重い物を持ち上げる際に力が入らなくなることがあります。また肩関節周囲の筋肉や神経に影響が及ぶことで、腕や手にしびれやチクチクする感覚が現れることがあります。
肩周辺の筋力低下などにより、シャワーを浴びる、服を着る、物を持ち上げるなど、日常の基本的な動作が困難になります。さらに夜間の痛みにより、十分な睡眠が取れなくなることもあります。
症状の進行パターン
五十肩・四十肩は、症状により3段階に分かれます。
1.発症期(炎症期)
肩に鈍い痛みが出始め、徐々に痛みが強くなります。肩を動かすと痛みが増すため、肩の動きが制限され始めます。
数週間から数ヶ月続くことがあり、この時期はあまり動かさずに安静にしているのが大事です。
2.凝固期(硬化期)
肩の痛みが徐々に和らぎますが、その代わりに肩の可動域が大幅に制限されます。肩を動かすこと自体が困難になり、日常生活に支障をきたすようになります。
数ヶ月から1年程度続くことがあり、この時期は患部を温め可動に応じて少しずつ動かし始めます。
3.回復期(解凍期)
肩関節包が再び柔軟になり、可動域が徐々に回復します。痛みも軽減し、肩の動きが正常に近づいてきます。
1年から2年程度かかることがあり、徐々に自動運動を増やしながらストレッチやトレーニングを行ないます。
当院ではまず五十肩・四十肩で大切なのは、患部が3段階のどの時期にあたるかというところの鑑別です。
炎症期にもかかわらず、激しく動かしたり、拘縮期にもかかわらず患部を冷やしたりしてしまうと症状の悪化を招きます。
また、五十肩・四十肩で一番気を付けなければいけないのは、痛みが取れた後も関節拘縮が残ってしまい、生涯、肩の可動域制限が後遺症として残ってしまう事です。
まず、患部の状態を確認して、状態にあった治療をいたします。
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